復活の村
自分の家族が大切にされて嫌な気分になる人はまずいないだろう。


「ねぇ、今日はどこへ行く?」


「今日もどこかに連れて行ってくれるのか?」


と言っても、この村は昨日一周してしまった。


小さな村で本当に病院も警察もないことに驚いたけれど、その分のどかで景色のいい場所だった。


「神社とか、行ってないでしょう?」


他にこの村で見るものなんてあるのかと思っていたら、そう言われた。


確かにこの村唯一の神社にはまだ行ったことがなかった。


明日はその神社にまつわる復活祭がある。


それを思い出したとき、ふと興味のわく場所があった。


「それなら、話してくれた池に行ってみたいな」


「え、池?」


ヒトミの表情が一瞬曇る。
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