復活の村
☆☆☆

森の中は神社の境内と同じでとても涼しかった。


頭上を木々が生い茂り、風が吹くと葉が擦れあって心地の良い音を奏でる。


「すごく気持ちがいい場所じゃないか」


まだ池には到着していないけれど、木々の隙間から差し込む木漏れ日とか羽ばたいていく鳥の様子とかに僕はすっかり心を奪われていた。


都会ではなかなかみることのできない景色だ。


草木がキレイに植えられた公園などはあっても、自然にこのような森になる場所はほとんどない。


僕は灰いっぱいにキレな空気を吸い込んだ。


と、その時だった。


住んだ空気の中に少しだけ濁りを感じて顔をしかめた。


なにか淀んだ、腐ったような匂いが混ざっていた気がする。
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