復活の村
ヒトミはなぜか申し訳無さそうに言った。


「他の場所と比べればそうかもしれないね」


でも考えればここはただの池なのだ。


湖でもないし、水の流れも滞っている。


小川があれだけキレイでも池の水が腐ってしまうのは当然のことかもしれない。


「でも、この池は明日の祭りで使われるんだろう?」


確か、選ばれた死体にお守りを握らせてこの池に浮かべると言っていた。


それなのにこんなに汚くていいのだろうかと疑問が浮かんでくる。


「そう。この池には不思議な力があるって言われているから」


「それなら少しはキレイにしてもいいのにな」


ヒトミは僕の意見に左右に首を振った。
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