復活の村
どこに行った……?


背中に冷や汗が流れる。


恐ろしいほどに静まり返った森の中。


さっきまで聞こえてきていた鳥の声すら聞こえてこない。


まるでここに僕1人が取り残されてしまったような恐怖が湧き上がる。


ザバッ!


水から勢いよくヒトミが顔を出した。


「ヒトミ!」


ヒトミはなんとか湖面に顔を出し、激しくむせている。


その体は今にも池の中に沈んで行ってしまいそうだ。


「今行くからな!」


僕はそう叫び、池の中へと飛び込んだのだった。
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