復活の村
仏壇の前にひかれた布団にヒトミの体は寝かされていて、顔には白い布が被せられている。


そっと近づいて膝をつき、その布を外す。


ヒトミの青白く、生気の失われた顔が現れて途端に嗚咽が漏れそうになる。


片手で自分の口を押さえて嗚咽を押し込んだが、流れてくる涙を抑えることはできなかった。


ポタポタとヒトミの頬に涙が落ちて濡らしていく。


それでもヒトミの目は固く閉ざされていて開くことはない。


僕は布団の上からヒトミの体を抱きしめた。


細くて華奢両腕は僕のことを抱きしめ返してくれることもない。


ごめん。


本当にごめん……。
< 58 / 197 >

この作品をシェア

pagetop