復活の村
「当たり前だよ。お姉ちゃんの遺体はまだ土葬されていなくてキレイだし、選ばれた時にすぐ池に運ぶことができる」


そう言われて僕はあの池のことを思い出した。


緑色に淀んでいて、腐った匂いが染み付いた池。


同時にその中に沈んでいくヒトミの顔も思い出して、喉の奥から嗚咽が漏れた。


「大丈夫?」


ユウジくんは冷たい声をかけてくる。


僕がどれだけヒトミの死に苛まれようと、ユウジくんからすればざまぁみろと言ったところだ。


僕は涙も嗚咽も必死に殺して、ユウジくんを見た。


「昼ごはんを食べた後、どうやって外へ出るんだ?」
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