復活の村
雨に濡れた木々がキラキラと照らされてとてもキレイだ。


「どこに人がいるっていうの?」


聞かれて僕は首を伸ばして窓の外を確認した。


田んぼの畦道にも、大通りにも誰の姿もない。


それどころか、犬や猫の姿も見えなかった。


「僕たち2人が外へ出たことさえバレなければ大丈夫なんだよ」


ユウジくんの目が輝いている。


まるでオモチャを与えられた飼い犬のようだ。


「誰も外に出ていなことはわかった。でも……」


「お姉ちゃんが死んだままでいいの?」


ユウジくんの考えを改めさせようと思った言葉はかき消された。
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