復活の村
ロープのハシゴは想像以上にグラグラと揺れて、今にも地面に落下してしまいそうな不安定感があった。


それでもどうにか地上に降り立った僕たちはすぐに敷地内の大きな木の陰に隠れた。


今の所気が付かれて誰から外へ出てくる気配はない。


2人で息を殺して門から外へ出る。


大きな建物もないこの村では身を隠しながら移動することは難しい。


ユウジくんは脇道へと入っていき、僕はその後を追いかけた。


道とも言えないような草の生い茂る歩道を歩いて行くと、見慣れた場所に出た。


そこは僕がこの村に来てから訪れたあの墓地だった。
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