復活の村
ヒトミにつれてこられた時は大きな通りを歩いて来たけれど、今回は裏側の道から来たのだとわかった。


丘の上にあるここからだと村の様子がよくわかる。


ユウジくんは墓石に身を隠しながら村を見下ろした。


「神主さんはあの神社から出てくるんだ」


指差した先には赤い鳥居があり、その鳥居の奥へと続く石段が見える。


「あの神社にはヒトミと一緒に行った」


そう言うと、ユウジくんは複雑な表情で頷いた。


それからしばらくは何事もなく時間だけが過ぎていった。


昨日の雨のせいで地面が濡れていて足元が悪いけれど、ここでこうして動かずにいるだけなら、どうってこともなかった。
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