復活の村
途端にヒトミがあの池に沈んでいくときの光景が思い出されて、その場にうずくまってしまいそうになる。


ヒトミの顔が湖面に浮かんでは沈んでいく。


苦しげに口を開けて空気を吸おうとするが、濁った水は容赦なくヒトミの口に入り込む。


「顔色悪いけど大丈夫?」


ユウジくんが異変に気がついて声をかけてくれる。


僕は無理やりそのときの光景を頭の中から追い出して「大丈夫だよ」と、答えたのだった。
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