復活の村
☆☆☆

「あのお祭りは本物だったんだな」


ユウジくんが興奮したように言った。


ユウジくんの部屋の窓から庭の様子を見ていた僕は視線を室内へと戻して「そうみたいだな」と、頷く。


庭からはヒトミの元気な声が聞こえてくる。


さっきから、祖母と2人で庭木の手入れをしているのだ。


「ユウジくんも半信半疑だったのか?」


「そりゃあね。いくら生まれ育った村のお祭りって言っても、死人が蘇るなんて荒唐無稽だもんな」


それでもあれだけ必死になって僕を仲間に誘ったのだ。
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