お前は俺の指示に従え〜意地悪な外科医との契約結婚
「お前の俺に対しての借金に加算しておく、一生かかっても返せない額にしてやるから覚悟しておくんだな」

はあ?優しいなんて思った私がバカだった、最上さんは鬼だ。

「早く飯食うぞ」

「私、いりません」

「食欲ないのか」

「だって借金また増えちゃうから」

「バーカ、冗談に決まってるだろ」

「えっ」

「梨花は俺の妻だ、俺は梨花を養っていく義務がある、俺を頼っていればいい」

なんか、真面目な表情で言われて、心臓がドクンっと高鳴った。

俺は最上丈一郎、自分で言うのも烏滸がましいが、天才的外科医である。

恋愛は大の苦手、優しい言葉をかけられず、恋人との時間は勿体ないと思っている。

だから結婚出来ないまま、三十二歳まで独身を貫き通してきた。

このまま一生独身でも構わないのだが、親父、つまり最上総合病院医院長が結婚しろと急かしてくる。

「俺の勝手だろう」と言っても聞く耳を持たない。

モテないわけではない、これでも恋人が切れた期間はない。

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