お前は俺の指示に従え〜意地悪な外科医との契約結婚
第三章 バカやろう、そんな事で電話してくるんじゃない
パスタソースもあるじゃん。

今晩はパスタ作ろうかな、でも最上さんに連絡しないとお弁当買って来ちゃうよね。

私は最上総合病院に電話してみた。

「最上総合病院です」

「あのう、鶴巻梨花と申します、外科の最上丈一郎先生お願いしたいんですけど」

「はい、鶴巻梨花様ですね、少々お待ちください」

「はい、外科の最上です」

「最上さん?梨花です」

「どうかしたのか」

最上さんは慌てた様子だった。

「あのう、夕食はキッチンにパスタがあったので私が作りますね、だからお弁当は買ってこなくて大丈夫です」

「バカやろう、そんな事で電話してくるんじゃない」

そう怒鳴って電話は切れた。

そんな言い方しなくてもいいのに……

やっぱり嫌な奴だ。

俺はプライベートはスマホを利用している。

病院の外線から俺宛の連絡は、ほとんどない。

過去に一人だけ真剣に愛した女がいた。

俺が二十五歳、彼女は二十三歳、彼女の名前は立花瑞穂。

俺は彼女と結婚を考えていた。

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