私、夢を叶えますっ!

愛ちゃんは、そんな私を憎らしそうに見てから、カナリの早口で

「えぇ~そんなぁ。

このままだと、結局海斗と行くことになって、

それで、海斗がリーダーの明日真(アスマ)への私の愛に嫉妬して、

それから大喧嘩になって・・・

それから、『あぁ、もぅいいっ!別れるっ』ってなって・・・

それから・・・海斗を失って・・・

それからね・・・」


(おいおい・・・どんな展開だょ・・・)


「それから・・・生きがい失って・・・

それから・・・」

まだまだ続ける愛ちゃん。

「あーもぅっ。分かったから。行くよっ、
行けばいいんでしょっ!」


(こうなりゃヤケクソだょっ!!)


このまま延々と終わりそうにない愛ちゃんの独り演技に負けて私のコンサート行きが決定した。


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