幼なじみの彼女
「甘っ」
唇はリンゴ飴で少しベタベタしていた。
こんな、学校で、屋上でどうかしてると思う。
誰かに見られたりしたらどうすんだよ。
「だってリンゴ飴食べてるんだよ」
苺はそう言って、俺の口にリンゴ飴押し当てた。
シャリッと音を立ててかじると、口の中にさっきより確実に甘い匂いが広がった。
「ね、甘いでしょ」
本当にコイツ馬鹿だ。
そう思いながら苺の手を取り、その柔らかい唇に再び触れる。
「壱斗ちゃんも…甘い」
そう言ってクスクス笑う苺も可愛くて、腕の中に小さな身体をすっぽり収めた。