ユメミルハチミツコ~意地悪上司と秘密の関係!?~
「相馬先輩!!お、終わりました!お願いします!」
「遅い」
確かに段取りは悪いかもしれないけど、他にもやる事あったし。それに、想像してたより多かったんだもん……。
せっかく頑張ったのに、ギロリと睨まれるからちょっと凹む。
「ったく。フグみたいに頬が膨らんでるぞ?」
「なっ、フグじゃありま……ぶっ」
先輩が両手で私の頬をサンドイッチする。
「やめて…くだしゃい」
顔を潰されたまま見上げれば、今度はちょっと口を尖らせた先輩が目に入る。
「お前は、俺と違って部長ってば優しいなぁ。とか思ってんだろ?」
「お、思ってないです!!いや、思ってますけど」
「……あいつは既婚者だ残念だな。それに、」
なにこれ、ズルい。先輩が部長相手に妬いてるのが伝わってきた。
ぐっと距離が近くなるから、眼鏡の奥の真っ黒な瞳から目が離せなくなって――――。