ユメミルハチミツコ~意地悪上司と秘密の関係!?~
希望していた会社に入れた、までは良かった。
編集部といっても、雑誌の数、本の発行の数だけチームがある訳で。
ファッション雑誌から程遠い、マニアックな競馬雑誌。
しかも、売れ行きの関係上、発行は奇数月。
馬の写真がメインで掲載されて、馬のランキングや競馬情報が主なもの。
時々イケメン騎士の写真やインタビューも入るけど。
まぁ、仕事だから仕方ないと言ってしまえば最後。
小さな息を吐いてパソコンに向かっていれば、
「河上くん。今いい?」
資料を持つ部長に肩を叩かれた。
「あ、はい」
「このところなんだけど、データ化してないファイル集めて入力頼めるかな」
そう言って、部長が穏やかに目元を細める。
「はい!了解です!」
「場所分かる?」
「あ、大丈夫です。この間教えて貰いましたから」
「じゃぁ、よろしくね」
"場所分かる?"なんて部長は優しいなぁ。
もー、言い方からして違うんだよね。
先輩だったら、"それぐらいやれ!!"の怒声で終わるのに。
私の好きなタイプは、絶対的に先輩より部長なんだけどな。