ユメミルハチミツコ~意地悪上司と秘密の関係!?~
先輩とあたし
「資料室行ってきまーす!!」
オフィスルームを出てエレベーターに向かった。
資料室は管理棟の8階だから、3階にある連絡通路を通ってから行けばいいんだよね、とボタンを押す。
情けない話だけど社内が凄く広くて、変に複雑で、迷子に何度なりかけた事か。
でも、そんな時はいつも――
「あれー、ココロちゃん!」
チーンという音と共に扉が開けば、同期の女の子が顔を見せた。
「サキちゃん、久し振り!」
「ね!おひさ!ココロちゃん、この間の飲み会来ないんだもん」
なんて明るい声を上げるサキちゃんの手には、段ボールが持たれていた。
「あー、ごめんね。先約あってさぁ」
「でも当たりじゃなかったから、かえって良かったかもー」
「あはは」
飲み会という名の"出会い"ね。
サキちゃんは基本いい子なんだけど、メンズに飢えている……らしい。
「私、今から事務室。コレ届けにいく」
「私は資料室に調べものだよ」
事務室と資料室は同じ棟だから、途中まで一緒に行く事となった。