無理、俺にして
「あれ、ゆめちゃん……?」
戻ると、予想通りの反応をして首を傾げたふみちゃん。
私はやっぱり恥ずかしくなって下を向く。
顔の熱がやっぱりまだとれない。
「着替えてきたの?」
「う、うん」
「そうなんだ! ゆめちゃん、青も似合うね。ちょっとオーバーサイズなのがかわいいっ」
「えへへ……」
恥ずかしくて、でも嬉しくて。
「ねえねえ、それってもしかして……折原くんの?」
「ええっ!?」
まさかのふみちゃんからの言葉に私はつい声をあげてしまう。
「折原くん制服の下によくそのTシャツ着てるから分かるよー」
そういえば、ふみちゃんは折原くんとクラスが一緒だった。
授業中の折原くんの話とか、いろいろ聞いてみたいなあと思ってたんだ。
でも今はそれよりも、ふみちゃんに言い当てられてしまったことの方が恥ずかしくて。
「詳しく聞かせてよゆめちゃん~!!」
「うう、わかった、わかったから~……!」
メガネを怪しく光らせながら迫ってくるふみちゃんを、両手でおさえる。
「じ、実はね……」