無理、俺にして
「えーっと、どれどれー?」


ゆめちゃんからその紙を受け取り、少し震える手をバレないように装いながらゆっくり開く。


「……っ」


紙に、書いていたのは。


――「自分を大切にしてくれている人」。


「ゆ、ゆめちゃ……」


驚いて、本当に驚いて。
こんなの、オリが選ばれていたっておかしくないのに。

ゆめちゃんはえへへ、と照れながらも笑顔を向けてくる。


「あっくん、小さい頃から何かと私のこと見守ってきてくれたでしょ? だから、真っ先にあっくんが浮かんだんだあ」

「……っ」


だめだって。
ゆめちゃん、俺今ね、涙腺緩いんよ。


「赤組のあっくんに協力してもらうのも変かなって思ったけど、やっぱりあっくんしかいないから、えへへ」


たかが、幼なじみ。


「あっくん、いつもありがとう」


――されど、幼なじみ。


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