無理、俺にして
竜騰虎闘
*ゆめside*

「好き、ずっと、ずっと好きだった」


……今、何が起きてるの?
えっと、借り物競走で、赤組からあっくんをお借りして
無事に一位をとって、それから
それから……。


「っ、」


さっきよりも強く、抱きしめられて。
肺が圧迫されるような、痛いような苦しいような。

密着する分、あっくんが震えているのがよく伝わってくる。

だから離してなんて、なんとなく言えなかった。


「……」


屋上での一件があって、無理矢理手を引かれて帰った日のことをふと思い出した。

私が折原くんのことを考えるのは嫌だと言った、あの日のあっくんのことを。


いつもふわふわした雰囲気で、私が言うことはなんでも笑ってくれて。

たくさん面白い話も聞かせてくれるし、

何より折原くんとのことで完全に屍と化した私のことを、誰よりも近くにいて誰よりも元気づけようとしてくれていた、優しいあっくん。


なのに、折原くん絡みになるとこうして感情の起伏が激しくなるというか、怒りっぽくなるというか。

まるで小さな子供みたいに拗ねて、どうしたらいいかわからなくなる。


……やきもち、だと思ってたんだよ。

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