無理、俺にして
「赤組、早い早い!!」

「2-Bの仲良しコンビ、藤沢と小池だー!!」

「いいぞもっといけー!!」


「……あ」


アナウンスされていた赤組の二人は見たことがある。
たしか折原くんと、あっくんとよく一緒にいる人たちだ。


「あの二人も、私と同じクラスだよっ」

「あ、そうなんだ?」


そういえば、あっくんが前に「いつめんで俺だけ一人クラス違う」って言ってたっけ。
……ほんとにあっくん一人だけ別のクラスじゃん。


「あの黒い短髪が藤沢くんで、茶髪をなんかちょっといい感じに決めようとして毎回うまくいってないのが小池くん」

「あはは、小池くんの方の紹介が面白すぎて前半頭に入ってこなかった」

「でも、ほんとみたいだよ? よくみんなが折原くんのとこに集まって小池くんの髪型の話になるから、私まで毎朝気になっちゃって、ふふ」

「あは、確かにそれは同じ状況だったら私も見ちゃうかも」


折原くんのクラスでのことなんて考えたこともなくて、こうして話を聞けるのが嬉しいし、それになんだか新鮮な気持ち。

想像しただけでにやけちゃう。


「おっと!? トップの赤組が転倒だ!?」


はっとして、さっきの二人組に目をやると。
アナウンス通り、茶髪の……えっと、小池くんが転んでしまっていた。

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