無理、俺にして
「ちょ、まっ……フジちゃん、待っ!!!」
「すまねえたっつん俺はお前を犠牲にしてでも勝ちたい!! パン食い競争で勝てなかった分な!! うおおお!!」
「ちょ待、あああ!!」
距離はだいぶあるはずなのに、こっちまでそんな会話が聞こえてくる。
小池くんはそのまま大玉に巻き込まれる形でゴールイン。
さらに会場に笑いが溢れる。
「ぷ……っ」
「あははっ!!」
私とふみちゃんも、顔を合わせて笑った。
その後もムカデ競走や仮装リレーなど、いろんな競技を二人で観戦。
順位だけでなく、会場の笑いまで持って行ってしまう赤組は、やっぱり最強だ。
「おおお!!」
「赤組、ナイスコンビネーションでぶっちぎりの一位!!」
「きゃーっ!! 折原くーん!!」
「円城くんかっこいいー!!」
二人三脚とは思えないスピードで100メートルを駆け抜け、一瞬で周りの女の子たちの黄色い声があがった。
「秋音、ハチマキほどけぬ」
「はあ!? どんだけ強く結んでんだよオリ」