無理、俺にして

「ちょっと!! 赤組かっこよすぎない!?」

「やばっイケメン揃いじゃん!!」


大きめの学ランに、赤い襷を肩から脇にかけて通し斜め十字に交差させている。
白い手袋をはめて、長めのハチマキは頭にしっかり巻かれていて。


「……わ、わあ……」


右側にかけた髪の毛も、それをとめる私のヘアピンもそのままだ。

胸がきゅんっと音を立てて、それからずっと大きく鳴り続ける。

かっこいい。

……かっこいい……!!


思わず口元を両手で覆ったところで。

なんだかこれ、ふみちゃんみたいだなと思った。


あっくんや、大玉転がしに出ていた二人もバッチリ決まっていて。

登場からすでに会場の視線のほとんどを赤組がもっていってしまっていた。


応援合戦は、総合順位の低い組から始めることになっている。

白組、黄組とそれぞれの演舞が終了し、

なんと青組は三番手。

今年は青組がめちゃくちゃ頑張っているとアナウンスも流れていて、一人でどや顔してしまった。


「青組、演舞!!」

「海闊天空(かいかつてんくう)」


新撰組をモチーフとしたような綺麗な青色のはっぴを纏い、一糸乱れぬ動きを披露する青組。
これならまだまだ優勝狙える位置だ!!

そして応援合戦、トリであり女子がみんな注目している赤組が位置につく。

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