無理、俺にして

どうしよう、恥ずかしすぎて体が震える。

足に力が入らない。


「……」


少しして、パタンとノートを閉じる折原くん。


「くふ」

「っ」


そしてこらえるように笑みを浮かべたかと思えば、もう片方の手で私の髪をそっと耳にかけた。


「俺、いいこと思いついちゃった」

「……わ、悪いことのような気しかしないっ」

「まあまあ、そう睨まないでけろ」

「っ!?」


ノートを持った方の手を、私の腰にまわしてくる。

ちょ、え、何が起きて……っ


「立ってるのがやっとなくせに、威嚇するならもう少しうまくやりたまえ」

「ちょ、離し……」

「俺としよ」

「え」


いま、なんて。

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