無理、俺にして
「赤組、演舞」

竜騰虎闘(りゅうとうことう)


太鼓の音に合わせて、赤組の舞いが始まった。

大きい学ランや、赤い襷がひらひらと動きの余韻を残して。
次々と皆の位置が変わって、どこを見ていいか分からなくなる。


見ている人の気持ちが盛り上がって、歓声もどんどん大きくなってきた。

瞬間、太鼓の音と舞いがピタリとやむ。

それに合わせて、会場の声も一瞬で静かになった。


静寂の中、赤組の団長が勇ましい声で叫んだ。


「百花……繚乱!!」


「っ」

「きゃああっ!!」

「二人ともやばいっ!!」


太鼓の細かい音に合わせて流れるように舞うなかで

同じタイミングで突然走り出した折原くんとあっくんが、側転からのバック宙を繰り出した。


その後も何度もバック宙をしたり、空中で体をひねらせて着地したりと
アクロバットな技を次々と連発し、周りの女子の声がやまない。


「……か、かっこいい……っ」


どうして、そんなにかっこいいの。

きゅうっと苦しくなる胸をおさえる。


「画竜点睛!!(がりょうてんせい)」


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