無理、俺にして
たたみかけるように荒く激しい舞と、太鼓の音。
指先の動き一つ一つがしっかりそろっていて、赤組が作り出した雰囲気に溺れてしまっていた。
そうして、赤組の演舞はあっという間に終わってしまったのだった。
「……はあ……っ」
本当に止まっていたわけじゃないのに、なんだか苦しくなって大きく息を吐いた。
やっと大きく深呼吸ができて、苦しいのも落ち着いてきた。
「す、すごかった……演舞……」
まだ鮮明に覚えてる。
これは、隣にふみちゃんがいたら大変な事になっていたかも知れない。
きっとまた、鼻血でちゃうよ。
「ふふ」
そんな想像をしてつい笑ってしまう。
会場の熱気は最後まで冷めることを知らず、
青組も粘りに粘ったけれど
僅差で赤組の優勝で体育祭は幕を閉じた。