無理、俺にして
「このノートに書いてること、俺としよ」
「!?!?」
ボオッと音がした。
たぶん私の顔から火が出る音だと思う。
「あ、え……は?」
初めてこんなに男の子と密着した。
息がかかるほど近い。恥ずかしい。
あっくんと違う声、匂い、独特な話し方。
なんだかとても心地いい……なんて。
「ど?」
「う、うう……」
いやいや心地いいってなに。
間違いなく、今の私の思考回路は正常じゃない。
――ガラッ
「だああっ!!」
「おっ」
「うわあっ!!」
突然響いた教室のドアが開く音に驚き、声をあげて思わず折原くんを突き飛ばす。
それと同時に、教室の入り口から聞き慣れた声が重なる。