無理、俺にして

……キス。

……キス!!


「はあ……っ」


ゆっくりと離されて、やっと即座に止めていた息を吐いた。

び、びっくりし、た。


いくらなんでも急すぎる。

やっと自分の話をしたかと思ったら、やっぱりいい、からのキス。
これが上級者の中ではあるあるの行動なの?!

意味が分からなすぎて、意味が分からないことばかり考えてしまう。


「ずっと、我慢してた」

「え、」


声、が。

いつも聞いてるのより何倍も熱を帯びていて。

脳が痺れる。
体がとける。


さっきまで、真面目に! とか思ってたはずなのに

いざこんな、真面目な目で真っ直ぐ見られると、こま、困る……。


「……っ、」


何か言い返したいのに、奪うようにまた重ねられるから。

折原くんに掴まる手が
立っている足が

少しずつそこまで力が行き届かなくなって、く。


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