無理、俺にして

「……」


『好きで、大切にしたくて』

その言葉が頭の中で何度も再生される。

折原くんが

私を

好き


「うっ……」

「!?」


もうだめだあ……。

我慢していた涙がぽろぽろとこぼれてくる。

さっきのキスで完全に引っ込んでいたのに、折原くんの言葉がうれしすぎて、逆戻り。


「わ、私のほうが好きだもん~……!!」


ぎゅうっと、抱きついて。
ぐりぐりと頭を折原くんの胸にこすりつけた。


「ノートに書いてあること、『俺としよ』なんて言ってきたのに、急に離れるなんてずるい」

「あー……それはごめんけど、秋音のこともあったし」

「教室で、キスだけしてくれなかったし」

「だから、好きな奴としてほしかったって」

「うわああん……っ」

「!? おい……っ」

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