無理、俺にして

「……っ」


制服の折原くんと外で待ち合わせ。
初めての経験に胸がドキドキしっぱなしだ。


「……ジロジロ見ない。穴空いちゃうカラ」

「う~……」


何を言ってもかっこいい。

もうかっこいい。


「ほら、行くよ」

「わっ」


自然と手を引いて、私の先を歩く折原くん。


「う、うん!!」


昨日の電話で、行き先をあらかじめ聞かされていたので少し……いやかなり緊張する。

握られている手をぎゅっと握り返した。


「……つかぬことをお聞きしますが」

「え、なあに?」


折原くんは、真っ直ぐ前を向いたまま続ける。


「かーちゃんとはその後どう」

「……あ……」


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