無理、俺にして
ひっそり過ごしたい?
男の子と仲良くしたらだめだから、じゃなくてか?
……ああ、秋音にはなにも話してないのか。
内容も内容だし、幼なじみなら尚更言いにくいんだろう。
「くふ」
「なんだよ」
「んや、続けんさい」
幼なじみの秋音も知らないようなことを俺が知っている。
そのことに気付いて、機嫌が少し良くなってしまう単純男。さすが俺。
「それなのに昼休み急に鬼ごっこに参加するとか言うから、どうしたんだろって思ってたんだよな」
「それは俺を探してとっ捕まえるためじゃろうな」
「えっ!?」
「ぶふ」
これだから秋音と一緒にいるのは好きなんだ。
からかいがいがある。……いや、今は嘘はついとらんし。
「やっぱりそうなんだ? オリのよく行きそうな場所とか聞かれたし……」
「そりゃあ、朝からずっと見つからんようにしてたからなあ」
「昨日ゆめちゃんとなんかあったってことだよな?」
「おん、窓から落ちそうなのを助けてくれた」
くふ、と笑いながらすよすよ寝ている彼女の頭を優しく撫でる。
いつまで寝るつもりなんだろう。そろそろ起こした方がいいかもしれん。