無理、俺にして
思わず笑みがこぼれた。
今更ながら、自分の蒔いた種の重大さに心底後悔する。
少し顔が熱い。これは動揺か?
なーんてな、まさかそんなわけあるはずない。
「ちがうよあっくん、私と折原くんは仲良しとかじゃなくて、その」
「仲良しじゃなくて、なあに?」
そうじゃムンク、お前の口から言ってやった方が秋音も納得する。
頑張れムンク。
「えっと……いろいろ、あって……」
「いろいろっ!!?」
おいこら。
謎にデレッとすんな。
体くねらせんな。
秋音もなに顔赤くしてんだ、やめろ。
「はあ……」
だめだ、バカには任せられん。
「心配しなさんな秋音」
「オリ……?」
「折原くん、待っ……んむ」
うるさいムンクの口を手で塞ぐ。
これ以上事態を悪化させるわけにはいかん。
どう考えてもデメリットしかない。