無理、俺にして

「秋音よ、教えてやろう。俺らは協力関係的な、そういうものよ」

「協力関係……？」


秋音の頭の上にはてなマークがいくつか浮かび上がる。

……他にいい理由が思いつかなかったけど、やはり苦しかったか……？


「そうそう、こいつの人見知りをなんとかしてやろうということよ。ムンクをプロデュース的なあれよ」


いかにもそれっぽいことをつらつらと並べる。

よく考えたら全然違うが、秋音なら納得しそうだ。

肝心のムンクは俺の言葉に任せることにしたのか、いつの間にか大人しくなっていた。

それどころか俺の説明にこくこくとうなずいている。


「人見知り……そういうことならわかるけど……」

「そ。やっとわかってくれたか」


ほっとして、ムンクからようやっと手を離してやる。


「そうなのよあっくん！！　実は私たち誰にも内緒でそういう関むぐ……っ」


やっぱり少し黙ってろ？

余計なこと言ってこれ以上秋音の不安を煽るでない。


「でも、そういうことなら俺が協力したのに」

「……あー」


いやごもっとも。


「俺に内緒でやることないだろ、ゆめちゃん」

「やはり幼なじみには言いにくい何かがあったのだろうよ」
 

まずい。
そろそろ苦しい。