無理、俺にして
「今、オリのこと考えてたでしょ?」
「え、うん……はっ、ちが……っ!!」
「いいって、ゆめちゃんは嘘がへたくそでありがたいよ、ほんと……」
流れでついそのまま答えちゃった私もアホだけど
折原くんのこと考えるの、そんなにだめだったかなあ?
だってあっくんと折原くんはあんなに仲が良くて
いつも学校中走り回ってバカみたいなことして、先生に怒られても楽しそうに同じようなバカみたいなこと繰り返してるくらい仲良しなのに。
「あっくん」
「……ん?」
「実は、折原くんのこと嫌いなの?」
「え」
だから昨日も、折原くんのこと池に落としてたのかな。
……そのあとあっくんも盛大に落ちてたけど。
「……オリのことは普通に好きだよ。親友、だし」
ちょっと恥ずかしそうに、でもしっかり折原くんのことを好きって言った。
男の子同士の確かな友情が感じられて、変態ゆめがきゅうんと鳴いた。
「じゃあ、さ」
「うん」
「私が折原くんのこと考えるのって、だめなことかな……?」
嫌いなら仕方ないと思ってたけど、そうじゃないなら尚更疑問だ。
首を傾げてあっくんにそう聞くと、あっくんは目をぱちくりとさせている。