無理、俺にして

「……ゆめちゃん?」

「はい?」

「オリと知り合ったのって、本当に昨日?」

「え、うん……?」


せっかく楽しい気持ちになっていたのに、あっくんはもうしかめ面をしている。
なんで? 今は折原くんじゃなくてあっくんのことを考えてたのに。

今度は何が気にくわなかったんだろう。


「……なんで、オリと同じ笑い方してるの」

「ええっ!? 同じだった!?」

「似てた!! 昨日初めて知り合ったのにもう癖がうつってるの意味分かんなくて俺キレそう!!」


もうキレてるよね!!?

もう、今日のあっくん久しぶりに意味分かんないよっ!!


「あと言うタイミング逃して忘れてたけど、結局オリのワイシャツ持ってきてるし!!」

「……あっ」


それは、私も忘れてた。
というか、コレに関してはあっくんが強引に引っ張るからでしょ……。


「そんな抱きしめるみたいな、大切みたいな、そんな持ち方して……っ」

「だ、だって落としたり汚したりしたら大変だし……」

「落として汚せばいいよ!!」

「そんなあっ!!」


< 56 / 202 >

この作品をシェア

pagetop