無理、俺にして
「……はっ!」


ちょうどあっくんの前に来た折原くんは、何かに気付いたような、驚いたようなそんな声を上げる。


「お前……やっぱりオリだな!?」


折原くんは、突然訳の分からないことを言い出す。
なんなら、信じられない! といったように自分の口元を押さえている。


「もしかしなくても、お前だったんだな、秋音」

「え、ええっ!?」


今度は隣にいたあっくんが、折原くんに対して「秋音」と言った。
状況が理解できない、どういうこと!? なにが始まったの!?


あっくんはすっと立ち上がり、折原くんと向き合う。


「俺たち……」

「俺たち……」

「「入れ替わってる~!!?」」


二人の声が合わさった途端、教室内がどっと笑いで溢れかえった。


「……ふう、53点ってところかにゃ」

「25点満点中?」

「くふ、10点満点ちゅー」

「あー、俺ら天才だったんだわー」


どうにもやりきった様子のバカ二人の会話を横にしつつ、なんとかここから逃げ出せないかとゆっくり立ち上がろうとしたとき。

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