無理、俺にして
「それと」

「……」

「ゆめちゃんとのことも、お前とはちゃんとしたい」

「……」


くそ。

秋音の顔がいよいよ見られなくなって顔を逸らす。


「これは俺の考えでしかないから、違ったら否定しろよ、オリ」

「何だよ……」


すでに大ダメージくらってんの、こいつは気付いてないんだろうなあ。


「オリはもう少し自分を大事にしたらいいと思う」

「……はい?」


集め終わったコーンを床に下ろすと、秋音は腰に手を当ててふんぞり返る。

おい、ちょっと自分のが身長が高いからってチョーシ乗んな?


「いいか耳の穴かっぽじってよく聞け??」

「……」

「どうせ本気がめんどいとか思ってんだろうけど」

「正解」

「俺なんかといるよりもっといい奴とつるめとか思ってんだろうけど」

「……正解」


なんだこれ。
俺もなんで素直に答えてんだ。


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