無理、俺にして

「まじかー……」


あの子はあまりにも男を知らないから。

ちょっとくっついたり、ちょっと連絡しただけで俺をバカみたいに信用してしまっただけ。
それを恋と勘違いしてしまっただけ。

これ以上彼女の熱が変な方向に進まないようにブレーキをかけて、一旦冷静に考えさせようと思った。

秋音が傍にいるなら心配ないだろうと思ってたし、なんならそのまま一気に二人はゴールインだとばかり思っていた。


そう。

俺に対する気持ちなんてその程度。

喉元過ぎれば熱さを忘れる……今までの奴らみんなそうだった。


「俺が何を言っても、遊びに誘っても、うさぎの小屋のクーポン渡しても意気消沈したままだし」

「わお、俺らの努力ちゃんと受け取ってほしー」


でも、どうやらあの子は違ったみたい。

傷心中に優しくしてくれた秋音にころっと行くと思ってたのに、そうはいかなかった。


……それだけ、俺に対する熱があの子の中に残ってる。


「……オリくん、あの子には元気だしてほしいところである」

「そう思うっしょ、俺も同じ」


まじかー……。


俺今、めちゃくちゃ喜んでる。

承認欲求満たされすぎてて頭おかしくなりそう。

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