無理、俺にして
「オリ、いつの間にゆめちゃんのこと呼び捨てにしてたんだよ!?」
「んえ、いつからだと思う?」
「つか誰の許可得て呼び捨てにして……!!」
「ふえ……ええええん」
「「!?」」
もう我慢できなくて、その場にへたり込んで、泣いた。
でも二人がどうしようどうしようって慌ててるのがおかしくて、意外とすぐに涙は落ち着いて。
「ゆめちゃん、うさぎの小屋行こうな? だから泣かないで?」
「よーしよしよし」
わしゃわしゃと折原くんが私の頭を撫でてくる。
ちょっと手が冷たい。
「オリ、その手を離せ???」
「うさぎの頭を撫でて何が悪い」
「ゆめちゃんがうさぎ……」
「悪くなかろう」
「おい、想像していいのは幼なじみだけだからな???」
「んや、王子様の特権なり」
「ああああ!?」
こんなやりとりされちゃ、おかしくて笑わずにいるほうが難しいよ。
「えへへ、二人ともありがとー」
私が笑ったのを見て、二人もほっとした様子だった。
本当に心配してくれていたのが分かってすごく嬉しい。
また折原くんともこうやって話せるのが嬉しくてたまらない。