無理、俺にして

「っしゃあー!!」

「負けるかあーっ!!」

「!?」


赤組の団長の声のあとに続く、
聞き覚えのある二人の気合いを入れるような声が響いて。

もう一度視線を戻せば。


「っ」


周りに男子が倒れている中
二人の男の子が立ち上がっていた。


「あ、あの二人……!!」


二人の姿を見たふみちゃんは、小さく「きゃあっ」と声を上げる。

やっぱり、二年の中では圧倒的に人気なだけあって誰でも知ってるよね。


「すごい、推しが二人も赤組、しかも応援合戦にも出るなんて……っ」

「……え?」

「私、明日の体育祭めっちゃ楽しみ……!!」


ふみちゃんがこんなにも目をキラキラさせている……!!
恐るべし、学年で圧倒的人気の男子二人……!!


キツそうなのに、大変そうなのに。
それでも楽しそうに練習に取り組む二人の姿はやっぱりかっこよくて、本当にキラキラして見えた。


「ね、ふみちゃん」

「なあに?」

「……少しだけ、練習見ていく?」

< 98 / 202 >

この作品をシェア

pagetop