無理、俺にして
***

「よし!! 今日はここまで!! 皆明日の体育祭は全力で挑み、そして必ず優勝するぞ!!」

「「おおお……!!」」


地獄のような練習がやっと終わったようで、力なく次々と校舎の方に戻っていく赤組の皆様。

私とふみちゃんは、邪魔にならずかつ目立たない大きな木の下のところで、こっそり練習を見ていた。


「はあ~……!! めっちゃかっこよかったね、ね、ゆめちゃんっ!!」


終始ふみちゃんはこんな感じでずっと興奮していた。
すっごい興奮してるのに、ちゃんと小声だからおもしろくて笑ってしまう。

でもふみちゃんがそうなる気持ち、すっごいわかるよ。


「うん、めっちゃかっこよかったね」


別に誰に聞かれている訳でもないのに、でも声に出すのがなんだか恥ずかしくて。
私まで小声になってしまった。


「ゆーめちゃんっ」

「だあっ!!?」

「きゃああっ!?」


急に木の陰からにょっと顔を出して私の名前を呼んだのは。


「あ、あああ、えんじょ、エンジョウクン……!!?」

「オリくんもおるよー」

「きゃあああ!!」


あっくんの後に顔を出したのは、折原くん。

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