龍臣先輩は今日も意地悪


「…どうして平気そうなんですか」



「んー、恋奈が俺を好きじゃなくなるのも時間の問題だって分かってたからかな」





まあ、別れてはないけど。と先輩は呟いた。





意味がわからなかった。


遥輝も、水森先輩とやらも。




だって仮にも遥輝は私の彼氏で。

水森先輩にも彼氏がいて。




なのに、なんでキスなんかしてるの。


理解ができない。


頭がパンクしそうだった。





「彼氏彼女がいようが結婚してようが、浮気するヤツは浮気するよ」






なんで先輩は、そんなに余裕そうなんだ。





「泣かないの?まだ現実受け止められてないとか?」





いつの間にか私の隣の椅子に腰掛けた夏木先輩はそう言った。



泣く

私が?




たしかに驚いてはいるけど、涙は出なかった。





「…私も心のどこかで気づいてたんです、遥輝と気持ちが一緒じゃないことは」





嘘じゃない。


遥輝は私のことをもう好きじゃないんじゃないかって思ってた。




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