龍臣先輩は今日も意地悪


「あれ、おはよう咲結ちゃん」


「おはようございます、霧崎先輩」




「ねえ俺と扱い違くない?蒼斗いったん殴っていい?」



「うるさい龍臣。そろそろ戻るよ、開会式始まる」




麻里奈と話し終えた霧崎先輩は手に持っていた赤いハチマキを頭に結んだ。




なんと絵になることだ、霧崎先輩はさわやかだから学校行事がよく似合う。



他の男子より圧倒的に大人びているしスタイルもいいからジャージが違う服に見えてくるほどだ。


雑誌の1ページみたい




まあビジュアルで言ったら龍臣先輩もだけど。




「蒼斗ハチマキさっきも結んでなかった?」


「うん、麻里奈と交換してきた。ね、麻里奈」


「うん、私今日これで3倍頑張れる!優勝間違いなし!」





麻里奈の手には同じ赤のハチマキ。


よく見たら端に “ 霧崎蒼斗 ” と名前が書いてあった。




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