龍臣先輩は今日も意地悪
「…半ば強制的に、取られて渡されただけ」
嘘じゃない。私は交換するなんて言ってないし、勝手に交換されたんだ。
やましいことなんてない。
…はずなのに
「独占欲ってヤツ?夏木龍臣、やな感じ」
何を言ってるのかはわからないけど、私を見下ろす安堂くんの目は鋭くて
いつものほわほわした安堂くんとは別人のようで。
なぜか、悪いことをしてしまった気分になる。
「…安堂くんさ、なんでそんなに龍…夏木センパイのこと敵視してるの?」
「ん-、説明しても一生かかっても有明には理解できないと思う」
「…なにそれ」
今日の安堂くんはやっぱり変だ。
何を考えてるのか
…はいつもわからないけど、いつも以上にわからない。
「邪魔されるのむかつくんだよ。普通に。あと俺あの人のこと1年の時からキライ」
「そんなに前から?」
「そ。へらへらしてるくせになんでもできるし、何してても目立つしおいしいとこもってくし」
「…なにそれ」
聞いてもやっぱり理解できなかった。