龍臣先輩は今日も意地悪


「席戻っていいよ咲結、こいつのことは任せて」


「え、はい…」




いいのかな?と思いつつどんな顔してここにいたらいいかわからないので私は席に戻った。


なんだったんだろう、あの先輩。



「おかえり咲結、絡まれてたね~」


「え、見てたなら助けてよ」




席に戻ると麻里奈はへらへら笑いながらジュースを飲んでいた。


仮にも友人が先輩に絡まれていたら助けに来てくれてもいいと思うんだけど。




「だってあたし行かなくてもちゃーんとヒーロー来たでしょ」



「…あのねえ、やめてよ大きい声で変なこと言うの」




さっきの今でまた絡まれるのはごめんだ。


私はあくまで平和主義。平和に生きさせてほしい。




「いいじゃん、女の子は恋してる時が一番楽しいし一番可愛いんだから」


「麻里奈とは違うんだよ、私は…」




狙った獲物は逃がさない、狙撃率200%の麻里奈は実にポジティブだ。




そして自分の感情に素直で、まるで私とは正反対。

時々うらやましくなる。



過去の男運のなさは見てて痛々しいくらいだったけど。



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