龍臣先輩は今日も意地悪
ふらっと戻ってきた龍臣先輩は当たり前のように私の隣に腰掛けた。
「咲結」
「…なんですか、話しかけないでくださいこんなに人いるとこで」
「え?今更じゃない?はは」
「誰のせいだと…!」
もとはといえば!私たちの間に接点があるとバレたのは龍臣先輩のハチマキ事件のせいなのに!
「咲結パワーでリレー1位取ったし赤団優勝したんだから許してよ」
「私は何もしてないですよ。…あ、優勝おめでとうございます」
一応団長だったななんておもってお祝いの言葉を口にする。
「…なんですか」
私の言葉に鳩が豆鉄砲を食ったような顔でぽかんとする龍臣先輩。
「いや…まさか咲結が素直にそんなこと言ってくれるなんて…」
「……もう二度と言わないです」
「うそうそ、ありがとう」
龍臣先輩は優しく私の髪をなでた。
…もちろん周囲がざわつき一部悲鳴が聞こえたのは言うまでもない。