龍臣先輩は今日も意地悪


「咲結、なにしてんの?待っててくれた?ごめんね、お待たせ」




ぼーっとしてるうちにエリカ先輩はいなくなっていて、店から龍臣先輩が出てきていた。


そしてまた頭をポンポンされる。




「…ちょっと考え事してただけです。みんな向こうで待ってますよ」



「そーだね。行くかあ。先帰らないでね、家まで送る」




優しさがズルい。




いつも意地悪言ったり、ふざけたこと言ってくるけど、この人はただ変なだけの人じゃない。


柄にもなくドキドキしてしまう自分が恥ずかしくなる。




「あ、咲結と夏木先輩来たよ」



「お。やっと来た、んじゃ団長のあいさつ聞いて解散しよっか」




そして龍臣先輩の軽い挨拶と一本締めで打ち上げは幕を閉じた。




「あたし蒼斗と帰るね、バイバイ咲結」


「うん、ばいばい麻里奈」


「にひひ送ってもらうんでしょ?たまには素直になるんだぞツンデレ娘!」




耳元でそう言い、麻里奈はニコニコで帰っていった。



あの人絶対面白がってるでしょ…!




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