龍臣先輩は今日も意地悪
……終わった。
言ってしまった。しかもため息つかれた。
そもそもなんだ今の告白は。
好きで悪いかって、おまけにバカだなんて。
あんな告白したの全宇宙を探しても私だけじゃないのかな。
もう絶対、無理。
「ずるすぎ、咲結。俺から言おうって思ってたのに」
「………え?」
びっくりしすぎて蚊の鳴くような小さい声しか出なかった。
俺から言おうと思ってたのに。
龍臣先輩は確かにそういった。
「やっとこっち向いてくれた」
顔を上げた龍臣先輩と目が合った。
心なしか火照ったその顔、私を見つめる綺麗な瞳から目が離せない。
夢じゃ、ないのかな。
「咲結、俺のこと好きなの?」
「……ぁ、」
「俺は好きだよ」
声が出なかったところに追い打ちをかけられた。