龍臣先輩は今日も意地悪
【咲結side】


「＿＿見てみて、あれ！！有明さんと夏木先輩一緒に帰ってる！」



「最近ずっと一緒だよ、結局付き合ってたみたい」



「やっぱりぃ？体育祭から話題になってたもんね」





じろじろと向けられる好奇の視線に少し慣れてきた今日この頃。


原因の男、龍臣先輩は気にも留めずにあくびをしながら私の隣を歩く。




「どしたの、そんなじろじろ見て。」


「…慣れってすごいなって思ってただけです」


「んえ？何言ってんの」




この人はこのビジュアルで入学当初から有名人街道を歩き続けてきた人だ。


噂されるのも視線を向けられるのも、全部慣れっこ。




しかも一緒に歩いているときに向けられる視線はどちらかというと私に集まってるもので…


やっぱり少し、肩身が狭い。




「堂々と歩きゃいいんだよ、カノジョなんだから」


「…そ、う、ですね」



「あ、赤くなった。可愛い」

「からかうのやめてください！」




龍臣先輩と恋人になって１週間とちょっと。




やっぱりうわさが流れるのって早いもので、付き合った二日後くらいには校内の大半に知れ渡っていた。




そこから一週間ほど私が質問攻めにあったのは言うまでもない。




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